こんにちは!ライフオーガナイザー、りなです。
今回は、親族の遺品整理を経験したことにより、生前整理、エンディングノート(最近はリビング(生きる)ノートと言うこともあるようですね)の重要性について氣づいたことを書いていきます。
外から得た知識ではなく、自分の経験によって心で感じたことを書きますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
親族を仮名、花子さんとします。
生涯独身だった花子さんは、パートナーも子供もいませんでしたが、定年まで会社勤めをしたバリバリのキャリアウーマンでした。
聡明で数字に強く、人に迷惑をかける事を極端に嫌う人でしたので、自己管理は徹底したものでした。
独り身だった花子さんを案じ、身内も時間がある時は積極的に会いに行き、話をしたり旅行に連れていきました。
自己管理をしっかりとしていた花子さんは、健康管理にも神経を使っていました。
しかし、数年後体調を崩した花子さんは、自立した生活が難しくなり、一旦回復するまで施設でお世話になることにしたのです。
もちろん帰ってくる事を前提にです。
この段階で花子さん自身の事、これからの事、もしもの事があった時どうしたいのか、花子さんの人生ノートを作るべきでした。
(これがまさしくエンディングノートです)
しかし花子さんに氣を使い、縁起でもないと嫌な思いをするかもと氣を回しすぎて、誰一人話を切り出さなかったのです。
今後の事を聞く事がどんなに大切な事か、この時は知らなかった、後で聞けばいいと安易に考えてしまったのが、わたし達の過ちでした。
しばらくして入所中に病気が発覚し手術をする事になりました。
手術は成功し命を失わずに済んだのですが、意思表示がままならない状態になってしまい、医師からは「年も年なので回復は難しい」と言われました。
この時思いました。
あの時花子さんに、いろいろ聞くべきだったと。
花子さんがどんな思いで人生を生きてきたか
どんな青春時代だったのか
何が大切で何に心が動かされていたのか
どんな事に幸せを感じていたのか
どんな交友関係があって、どんな深い親交があったのか
そしてどんな医療を望んでいるのか
どんな最後を望んでいるのか
聞きたいことがいっぱいありました。
たわいもない笑い話は沢山してきたけど、花子さんの人生、価値観、想いを踏み込んで聞くことができなかった。
後悔しても、時すでに遅し!です。
意思表示もできないまま、帰らぬ人となりました…
しかし、花子さんが亡くなって悲しむ間もなく、遺族にはやるべきことが山積みです。
【1日目】
●死亡診断書の受け取り
●葬儀社に連絡、通夜、葬儀の段取り
●近親者への連絡
●遺体の搬送、退院手続き
【2日目】
●役所へ死亡届の提出 ➡ 葬儀社が代行できます
●火葬許可証の取得 ➡ 葬儀社が代行できます
●通夜
【3日目】
●葬儀
●火葬
【~10日目】
●葬儀代の清算
●除籍謄本の取得
●住民票の除票の取得
●健康保険証の返還
●資格喪失届の提出
●葬祭費支給申請用紙の取得
●高額療養費支給申請用紙の取得 (該当者のみ)
●介護保険証の返還
●資格喪失届の提出
●送付先変更届の提出
●還付金の申請 (該当者のみ)
●年金受給者死亡届の提出
【2週間以内】
●公共料金の解約手続き
●固定電話・携帯電話・NHKの解約手続き
●生命保険の解約手続き
正に手続きの嵐です!
思いつく限り書きましたが、人によっては多少内容が異なることがあります。
わたしはリストを作り、その一つ一つに期限、手続きの場所、必要な物等を書き込み、優先順位をつけて消化していきました。
正直手続きに追われ、花子さんを懐かしむ時間もありません。
ここまでは、まだ役所関係、花子さんの想いに左右されるものは何一つありません。
やるべき事は沢山ありましたが、手続きを淡々とこなせば終わります。
本当に大変なのはこれ以降の花子さんの家、家財、持ち物などをどうするべきか!という事でした。
パートナーがいれば、話題に出たかもしれません。
子供がいれば、自分にもしもの事があった時の事を話したかもしれません。
独身の花子さんには、話すパートナーも子供もいません。
わたし達がこの話題を出さなかったため、花子さんも話しませんでした。
それでも、亡くなって間もない時、花子さんの事だから、意思表示した物を残してると考えていました。
なぜなら、人に迷惑をかけるのが何よりも嫌いだからこそ、自分の人生の幕引きをどうしたいのか、書き留めていると思ったのです。
買い物一品一品の金額をノートに何年間も書き溜めていたほど、金銭的な管理もきちんとしていた人だから、遺産相続の事も書き留めていると思ったのです。
そんな花子さんだから遺言書を用意しているかもしれない。
遺言書じゃなくても、手紙に何か残してるかもしれない。
そんなことを考えていたわたし達は、遺品の処分や遺産相続は簡単に終わるだろうと思っていたのです。
【後半】では、遺産相続について書きますね。